コロナウイルスの転職市場への影響実例と今後の転職市場

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コロナウイルスで転職市場は冷え込むのでしょうか。

採用活動の前提となる企業活動は全般的に大きく停滞しています。

特にエネルギーや鉄鋼といった基幹産業は、もろにダメージを受けており、需要減退⇒工場の一部停止が発生しています。それに伴って、既存の従業員の一時帰休を実施しています。

このような企業では、従業員の雇用をいかに守るかということが課題となっており、現状ではとても中途採用を行える状況ではありません。

一方で、長引く在宅自粛要請を受けて、身近なところではスーパーや家具(在宅勤務需要)、家庭用料理器具などは需要が伸びています。

また、Netflixなどの在宅で楽しめるサービスを提供する企業やZoomなどのオンラインビジネスミーティングサービスを展開する企業も伸びています。

人やモノを必要とするリアルビジネスは在宅勤務や自宅待機需要を取り込める一部企業を除いて全般的に停滞、IT系はコロナ影響少なめといったところでしょうか。

転職市場への影響はどうでしょうか、転職中の友人や元同僚に聞いてみました。

学生時代の友人の実例:ブラックIoT企業⇒ホワイトIT企業

私の学生時代の友人のAくんは、コロナ流行の真っただ中に転職活動をして見事に内定を勝ち取ることができました。

彼は外資企業の日本法人で立ち上げメンバーとして働いていましたが、人数の少なさから常に休日勤務を繰り返していました。

この会社で働き始めた当初はエキサイティングな仕事を経験できることの喜びが大きかったようですが、次第にプライベートを犠牲にする働き方に疑問をおぼえてきたそうです。

創業者や給与がずば抜けて高いのならまだしも、一般的な待遇で日系大企業の2倍働かされることに耐えられなくなったそうです。

彼は転職活動をコロナ影響が本格化する前から始めていました。

なので、コロナ前後で企業の採用態度の変化を如実に感じることができたとのことです。

具体的には、何社か並行して面接を進めていたものの、コロナの影響で採用活動が途中で打ち切りになったことや、明らかに採用基準が厳しくなったということを経験したそうです。

彼は転職が3回目であり、明らかに以前転職活動を行ったときよりも採用が絞られていることを実感したと言っていました。

彼はIT業界で働いていましたので、他の業界に比べれば比較的コロナの影響を受けずに済んでおり、そのことも幸いしてなんとかコロナ自粛の最中で内定を獲得することができたそうです。

彼は転職に成功しましたが、コロナ影響で転職市場全体が停滞しており、ブラック企業からの脱出がむずかしくなっている方もいるのではないでしょうか。

コロナ影響で仕事がなくなって時間ができればいいですが、中には逆に忙しくなる企業もあります。

先述の彼の転職前の企業はコロナで逆に忙しくなって、土日休みなく1か月以上勤務が続いたとのことです。精神的にも肉体的にも本当にギリギリのところで転職を決めることができてよかったと言っていました。

日系大企業⇒自主的に転職活動中止

「年功序列の日系大企業勤めなんてやってられるか!」という事で、コロナ前の好景気感もあり、日系大企業勤めの友人は転職活動に精を出していました。

複数社の面接を進めており、何社かの最終面接に残り、もうすぐ内定というところまで来ていました。

そこにきてコロナ感染拡大が起きて、急激に景況観が落ち込みました。

選考がすすんでいた何社かは採用取りやめになりましたが、それでも採用を続けていた会社もあったそうです。

まだ採用プロセスに残っていた企業が何社かあったものの、彼は自分自身で転職活動を中止するという決断をしました。

彼の勤めている会社はほぼ全員が在宅勤務になり、仕事量はへりましたが、大企業だけあって給与は全く減りませんし、この先不況が続いても職を失う心配はないという安心感を強烈に実感したとのことでした。

コロナ流行までは世界的な景気拡大が10年以上続き、ビジネスではリスクを取れば大きなリターンが得られやすい環境でした。

転職も同じで、リスクを取って転職して失敗しても、次の行き先はどこでもあるという状況でした。このような状況下で労働者にとって、日系大企業の安定感という魅力は感じにくいものでした。

そんな中、コロナを起因とする不況が訪れて、にわかに日系大企業の安定性の魅力が再発見されつつあります。

彼は、フリーランス、小規模起業家、中小企業勤務の友人はみな苦労しているなか、大企業勤めの自分の生活がまったく揺るがないことで、現職への忠誠心が向上したと言っていました。

不況が訪れたことで、人々の安定志向は高まり、安定した大企業に勤める方の転職意欲は相当減少しているのではないかと思います。

好景気の環境下、過小評価されてきた大企業の雇用安定性に、転職市場でも再度スポットがあたりつつあります。

中堅企業⇒転不況のあおりで転職できず

大学卒業と同時に中堅中規模企業に就職して、転職活動を行なっている知人もコロナの影響を大きく受けており、聞き取りを行ったところ、以下のような状況でした。

  • 現職にとくに不満はないけど、なにかを変えたくて転職活動をはじめた。
  • 応募しようと思っていた企業のほとんどが採用を中止した。
  • 不況の影響をもろに感じている、今日この頃。
  • 転職先がないので、現職にとどまり続けるしか選択肢がない。

不況期では、この知人のようにごく普通の人の転職機会が少なくなってしまうようです。

求人数が減っているなかでは特別秀でた能力がない平均的な方に対する需要は少なくなります。

自社の既存事業が縮小傾向の場合、定型業務を任せる人材は自社内で事足りてしまいます。

厳しい現実ですが、正しく現状を認識したうえで、今後どのように転職活動をして進めるか考え直すことが求められています。

転職市場が回復してくるまで、能力開発に励み次のチャンスに備えることも有効です。

転職もビジネスとおなじで時期が重要です。待つことも戦略であり、待っている間になにをすればよいかについて考えましょう。

転職エージェントが語るコロナの影響

友人の転職エージェントにコロナの影響を受けて、転職市場がどう変化しているかを聞いてみました。会話の要点をまとめると下記の通りです。

  • 求人を行っている企業数は業種にもよるが、全体で5割弱求人が減ったという感覚。
  • 半分以上の企業は採用を継続しているという言い方をする同業者もいるが、個人的感覚だが5 割弱求人が減るという現状はかなり厳しい。
  • 市場で需要が3割以上減少するというのはかなりやばいこと。
  • 現行の事業が縮小してポジションがなくなる(人がいらなくなる)可能性があるなか、新規採用ができない企業が多い。
  • 転職エージェントも自らの生き残りをかけて歯を食いしばる時期が来ている。
  • 企業の採用活動が鈍化しているのは、IT面での対応が遅れていることも要因となっている。
  • ネット面接等ができない(やれるのにやらない)旧態依然の企業も多い。
  • 役員や幹部クラスが、「ビデオ面接だけで採用決定できないよね」という意見を持っている。
  • また、実際問題としていま新規採用してもOJTができず、転職者を戦力として扱えない企業が多い。
  • 転職市場全体は一時的に縮小していると言わざるを得ないが、採用を継続・もしくは人材需要が拡大しているところもある。IT、在宅消費系、医療など。

今後の対策とまとめ

転職活動を実際に行っている友人と転職エージェントの友人へのインタビューを通じて、転職市場の厳しい現状を理解することができました。

では、転職希望の方はこれからどうしたらよいのかについて、アドバイスを記してまとめとします。

  • 転職市場が、全体的に縮小していることは間違いない。
  • 一方で、今需要が伸びているITや医療系に「もともと」行きたかった人にとっては転職のチャンス。多くの方が転職活動を諦める現在だからこそ、今動くことで成功する確率が高まる。
  • コロナ影響下でビジネス需要が伸びている分野以外への転職活動は、現状では成果が出にくく、焦って転職活動しても辛いだけ、という状況。
  • 勝ち目のない市況環境では、無理をせずに好機がめぐってくることを待つのも1つの戦略。
  • 転職活動にじっくり腰を据えて取り組むことは良い戦略。
  • 景気は循環するので、再び転職市場が活性化する好機が来た際には、すぐに動いてチャンスをつかめるように、準備を進めるべき。
  • 具体的には、転職サイトへの登録とエージェントとの面談を通して、転職市場動向をリアルタイムでつかめる体制を構築する。また。職務経歴書や履歴書のひな型を作成する。
  • 自分のキャリアの棚卸を行い、自身が希望するキャリアへの転職に必要な能力・経験の洗い出しをする。

転職もビジネスも同じで、波が来たときに乗れるのは、波が来る前から準備していた人だけです。

コロナを起因とした不況が訪れていますが、今を未来のための準備期間として使えるかどうかで、未来は大きく変わります。

人生には準備する時期と攻める時期の違いがあります、備えていた人だけが掴める成功があります。

今から早速、将来の為に準備を始めましょう。

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