商社マンからの転職先【転職実例9パターン】

商社 転職先

商社マンの転職先として元商社マンの私が実際に見てきた事例とそれに対する意見を紹介します。

実際を参考にしつつ、自分が魅力的に感じる転職先を考える参考にしてみてください。

高級激務系

商社マンからの転職で最も典型的な転職先でしょう。具体的にはコンサルや投資銀行といった転職先です。

年功序列の文化が強い商社では能力が発揮できないと考える方の多くが、商社よりも高級で激務な職場を求めて転職していきます。

転職先での生存確率は、私の見てきた中では7割くらいです。

転職した後のしばらくは、睡眠時間を削るくらいに仕事に打ち込むことが求められます。

同期のライングループで外資コンサルや投資銀行に転職した同期が、深夜に「今仕事終わった」メッセージを送り、その時間の遅さに商社に残っているメンバーがざわつくという場面に何度か遭遇したことがあります。

商社から高級激務系への転職は、個人的にはどうかなと思っています。

睡眠時間を削って自分の時間全てを被雇用者という職業にかけるよりは、後述する様に起業や独立可能な資格をとって、自分の時間を真の意味で自分のために使える選択肢が良いかと思います。

また、被雇用者であり続けながら、副業を行なって自分の事業を持つということも魅力的な選択肢だと考えます。

私はこのような考え方をしているので、転職後に自分の時間がほとんどなくなってしまう高級激務系の転職先はあまり魅力的ではありませんでした。

MBA

転職ではありませんが、商社マンを辞めてMBA留学に行くパターンも王道の1つとして人気が高いです。

商社マンの中でも、学歴ピカピカの頭脳派の方が選んでいく選択肢との印象が強いです。

私の実感として、部署の中で1番優秀な同期は高級激務の外資に行くかMBAに行くイメージです。

MBA取得後に景気が良ければ、商社よりも良い待遇で職にありつける可能性が高いです。

一方で、景気が悪いとせっかくMBAをとったのに結局商社よりも条件の劣る転職先しかなかったという話も聞きます。

MBAに行ったからといって必ずしも商社より待遇の良い就職先が見つかるとは限らないことを事前に理解しておくことが大切でしょう。

歩合営業職

歩合制の外資保険会社に行った商社同期もちらほらいます。歩合制営業の良いところは、成果を上げれば、組織の歯車として上にペコペコすることなく商社マンよりも多く稼ぐことが可能な点です。

そして商社マンから外資保険に行った方は大体商社マンを太客にしている場合が多いです。

新卒入社した際に〇〇生命のギラギラ系営業から勧誘を受けた方も多いのではないでしょうか。

転職後の最初の数年は壮絶に自分を追い込んで働き、現在では商社マン時代を大きく超える収入を得て、その資金を基に他の事業を展開している成功者の方が知り合いにいます。

一方で、転職した後に人知れず消えてゆく方も多くいます。

歩合制営業の世界は学歴も前職の経験も関係のない完全な弱肉強食の世界です。

自分の腕一本で食べていく覚悟と自信のある方にはやりがいのある職業でしょう。

時給上昇系

煩わしい付き合いなどが減って、会社関係の拘束時間が減る〇〇Japanなどの外資企業に転職するのは良い選択肢と考えます。

なんだかんだ仕事終わりの飲み会や、週末の付き合いゴルフなどの習慣が残っている部署が商社には多く、プライベートの時間がかなり削られます。

日系大企業にありがちな各種のお付き合いがほとんど存在しない外資に移ることで、収入の額面自体は商社とトントンもしくは微減でも時給換算での待遇を上げることができます。

付き合いが多く自分の時間がほとんど持てないことに苦しんでいる商社マンには、1度付き合いの時間も含めた時給を算出してみることをお勧めします。

仕事関係の付き合いの時間がなくなることで、家族との時間が増えたり、自分のやりたい副業に取り組めたりと、人生の充実度がかなり上昇します。

勤務時間以外を自由に使うことの魅力はかなり大きいです。

同業外資

商社で扱っている商材と同じ商材を扱う外資に転職するパターンです。例えば商社である機械製品を扱っていたとして、同種の機械製品を扱う外資に転職するなどです。

商社での所属業界によって、転職先がUp or Outの高給激務系になる場合もあれば、まったりな日本法人で時給上昇系になる場合もあります。

未経験の業界に転職するより、商社での経験を基にできる同業外資への転職は、転職先での失敗確率を下げることができます。

私の周囲で同業外資に転職した方は、商社と同じくらいの待遇で煩わしい付き合いのない職場を求めて転職した方が多く、働き方と給与のバランスに満足している方が多いです。

一方で、能力が発揮できなければクビになることもあるので、商社で身に着けた業界知識と能力に自信ある方にお勧めしたい転職先です。

副業掛け合わせ系

世間で副業が推奨されていますが、この流れに乗る商社マンも出始めてきています。

転職先の収入だけを見た場合、商社には及ばないものの、副業を行うことで商社並み、もしくはそれ以上の収入を得ていくパターンです。

具体的な転職先としては、IT企業やメガベンチャーといった副業がOKで柔軟な働き方を認めている企業です。

重厚長大産業関連部門に配属された優秀な若手商社マンが業務に嫌気がさして、全く真逆の業界と働き方を求めて転職していく事例が増えています。

私はこの転職パターンをお勧めしています。

収入源を1つに頼り切る状態はリスクが高いと考えます。複数の収入源を持つことでリスクヘッジになります。またサラリーマンという安定的な収入を得た上で、成功するか失敗するかわからない事業に副業として挑戦することができます。うまくいけば本業のサラリーマン収入を上回ることができるかもしれません。

人生の選択肢を増やすことが転職活動の価値だと考えており、本業と副業を持てる会社に転職することはかなりおすすめで、友人に転職アドバイスをする際にもよく話すことです。

将来の起業ステップ系

将来、自分で起業したいビジネスの分野があり、その業界を学ぶために転職して行く方もいます。

転職先としては、ネット企業や人材系といった業界が多いです。

この事例の、成否は完全に個人次第です。

確固とした起業への想いがあり、そのステップとして転職を行うのはありだと思います。

やらなかった後悔よりもやった後悔を選んだ人生の満足度が高いと思います。

例え失敗したとしても商社マンをやってきた方ならどこにでも再就職できますし、食べるのに困ることはないでしょう。

一方、起業のステップだと言って転職したのに、いつまでたっても起業したいと言い続けて結局起業しない方もいます。

転職はあくまで商社のサラリーマンから別の会社のサラリーマンになることなので、起業のステップにできるかどうかは本人次第です。

ベンチャー(スタートアップ)系

メガベンチャーではなく本当のべンチャー(スタートアップ)企業に転職していく商社マンはかなり少ないです。

時々見かけるのですが、スタートアップ企業にストックオプションもつかない純粋な従業員として転職していった方のその後の羽振りの良い話はほとんど聞いたことがありません。

商社マンから待遇が下がり、職がなくなるリスクがあるのに、リターンが月額の給与だけでは魅力的な選択肢にはなりにくいでしょう。

ベンチャーに行くのであれば、従業員として転職するのではなくストックオプション付きで経営陣の一角として参画するなりしなければリスクとリターンが見合っていないと思います。

ベンチャー企業への転職は、副業との掛け合わせでキャリアを形成していくことを前提に転職する、もしくはベンチャー企業で学んだことを活かして起業するためのステップとして転職するなど、転職したその後をよく考えて決断する必要があります。

商社から転職したくなって、転職サイトをのぞいていて見つけた程度でベンチャー企業に転職することは正直おすすめできません。

資格職学びなおし系

少数派ですが、弁護士・会計士・税理士・医師等の資格職を目指して、退職して学びなおす方もいます。私の知る限りでは大半がその後資格取得に成功しています。

商社マンをやめて、収入のない状態から資格職を目指す時点で相当腹をくくっていますので、中途半端にならないのでしょう。

商社で働いていると、弁護士や会計士と関わって仕事をすることが多く、商社マンはよくも悪くも何でも屋なので、専門職への憧れが強くなる気持ちは理解できます。

資格を取った後に独立も可能なので、サラリーマンとして組織に仕える生活から抜け出すことができます。

転職といっても、他社に移るだけではなく資格職に転職することもできます。資格職に転職していくことは悪い選択肢ではありません。(もちろん難易度は高いですが)

余談ですが、学時代に飲食店でアルバイトをしていたとき、同僚の1人であった当時30過ぎの方が大企業の経理をやめて公認会計士を目指していました。

自分で食べていくための最低限のお金を稼ぐために深夜バイトをしていました。学生にまじって油まみれになりながら働きつつ、1日の学習時間をストップウォッチで毎日記録していました。

腹を括ったその姿に凄みを感じていました。そして2年のアルバイト生活の後に、試験に合格して晴れ晴れとした顔でバイトを辞めていったあの方のことをいまでも覚えています

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