商社から若手のうちに転職するメリットとデメリット

商社 転職 20代

商社から若手の間に転職される方が増えています。私の同期でも若手の間に転職する方が一定数いました。

商社は若手時代に語学研修や若手の海外駐在制度があり、他の日系大企業と比較すると給与上昇スピードも速く待遇に恵まれています。

その待遇を捨てて転職して行く場合のメリットとデメリットを考察していきます。

商社からの転職デメリット1 将来の安定高収入を手放すことになる

現在の総合商社では、30歳を超えてくるととほぼ全員が年収1200万以上の待遇を得ることができます。

個人のパフォーマンスに関わらずこの年収をもらえるのは結構すごいことです。

また、働き方改革の影響もあり、昭和時代のような長時間労働と飲み会お付き合い文化がなくなってきています。

高給ホワイト企業を目指す方にとって、商社以上の選択肢はないとも言えるような企業文化になってきています。

最近の商社は朝9時に出勤して夜の7時には退社することも可能です。

この労働時間の緩さで年収1000万円を大きく超える待遇を数十年にわたって安定的に手にすることができる職場は少ないです。

優秀で能力の高い方であっても、激務を嫌う方もいます。

商社よりも高給でホワイトな働き方ができる職場はそうそうありません。

商社を辞めるということは、ある意味で日本でトップクラスのホワイト企業の待遇を手放すことになります。

商社からの転職デメリット2 海外駐在の機会が減る

海外で働きたいと考えて商社に就職した方も多いのではないでしょうか。

他の日系企業や外資系企業を見渡しても商社ほど海外駐在の機会に恵まれている企業はありません。

商社に在籍していると入社10年以内に2カ国以上で駐在を経験することは珍しくないです。

商社ほど多種多様な駐在可能性のある企業はなかなかありません。

外資企業、特に外資の日本法人に転職すると駐在の機会は圧倒的に減ります。本国の本社から見るとあくまで日本支店であり、その現地社員を他国に転勤させることは少ないです。

私自身は、異国の文化を感じ異国の方と交わることに大きな価値を感じており、これが商社から転職する際に最も後ろ髪を引かれたポイントです。

商社からの転職デメリット3 社会的信用の低下

私自身はあまり重視しない項目ですが、総合商社の社会的信用度は高く、銀行から借り入れを行うときから賃貸住宅を借りるとき、はたまた婚活や合コンなどの様々な場面でメリットを受けています。

この社会的信用の大きさは、それを失うまでなかなか気がつきませんが、例えば商社からベンチャーに転職して、家が借りにくくなったり、親戚からの評判が一気に変わったりと、ネガティブな変化を感じる方も多いようです。

商社からベンチャーに行く方や独立する方の中には、商社を辞める前に、銀行借り入れをして家を買う方もいました。

転職先にもよりますが、勤め先の社会的ステータスを重視する方にとって、商社からの転職は慎重に考えたほうが良いでしょう。

商社からの転職メリット1 ビジネスマンとしての経験を若くして積める

商社から転職する最大のメリットは、日系企業特有の年功序列を抜け出して、若くして多くの経験を積むことができるという点にあります。

商社では年功序列で仕事が割り当てられるため、どれだけ優秀な若手であっても、ある程度の年次になるまで重要な仕事は任されません。またマネジメントができる年齢も現状では40歳以降です。

これは能力の高い方にとっては大きな機会損失です。

実力主義の会社で若くして経験を積んで、より大きな仕事をこなして、マネジメント経験を積んでいくのと、10年間商社のいち担当として働くのでは、ビジネスマンとして埋めようのない差が生まれてしまいます。

入社時には、ピカイチに優秀だった若手社員が、10年後には取り立てて目立つところのない商社マンになってしまうことはよくあります。

個々人の持って生まれた能力の差も重要ですが、どこで経験をつんだかということも同じくらい重要です。

この観点からいうと、商社には若くして大きな経験を積める環境はありません。

私自身も、この点で悔しい思いをしたことがあります。

学生時代の親友はメガベンチャーにいき、私は商社にいきました。約10年の時を経て、彼は役職にもつき、どんどんステップアップしていきました。一方で私は10年たっても商社のいち担当でした。

給与の面から言えば、友人の会社の役付き職よりも商社の担当のほうが良かったでしょうが、ビジネスマンとしての価値という観点からは、マネジメントを経験しているその友人に大きく水をあけられてしまいました。

商社ではどれだけ頑張っても、入社からの10年間で部下をもつことはなく、いち担当で居続けます。どれだけ能力のある人であっても、社内の定型資料の作成に大きな時間をとられます。

商社という環境にいる限り、年功序列から抜け出すことはできず、天井が設定さされてしまいます。

私はこの点に納得がいかずに、より個々人の実力が待遇と仕事内容に反映される職業を選ぶという選択をしました。

自分の能力を心行くまで試したい方にとって、商社から実力主義の会社への転職は魅力ある選択肢となります。

商社からの転職メリット2 商社を超える年収を手に入れられる可能性

商社では若くして比較的高給を手にすることができます。会社毎に差はありますが30代で1200万以上は固いです。

一方で、20代や30代で年収2000万円にはどれだけ頑張っても到達することができません。

野心のある若者にとって、これはかなりのストレスです。

年収1000万円~2000万円あれば、生活に困ることはありませんが、決して豪華な生活をすることはできません。

他社の何倍も大きく稼いでみたいという野心を抱く若者にとって、世間より少し上くらいの商社マンの収入では満足できないでしょう。

年収に天井のある商社マンから転職するメリットは、この天井をぶち破る可能性を手にすることです。

同期と横並びで給与をもらって、先輩には「稼いでますね~!」と媚を売っている生活を10年も続けると、ほとんどの方は牙を抜かれた状態になります。

「世間一般よりも給料をもらっているからまあいいか」と現状に満足してしまいます。

若くして金銭的に成功したいという野心を抱いている方は商社からの転職をお勧めします。

まとめ

若くして商社を辞めることは将来の、安定したちょっといい生活を手放すことです。

一方で、それを手放さない限り、若くして大きな成功は手に入れられません。

自分が人生に求めるものはなにかを考えたときに、「平均より給与をもらいつつプライベートも充実させたい」と思うのであれば、商社から転職する理由はありません。

平均より少し良いくらいの状況では全く満足できない方にとって、商社から転職するメリットは大きいです。商社から転職しない限り、小さくまとまってしまう可能性が高いです。

ご自身でも商社から転職するメリットとデメリットを考えてみてください。

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