今日は元商社マンの私の転職失敗談第3弾をお話します。
業界を変える転職は相当難しいということを身を持って感じた経験でした。
商社マンの転職失敗談:返事すらこない異業種転職の厳しさ
私は商社で重厚長大系の商材を担当し、トレードと事業管理両方の経験をしてきました。
商社入社時には望んで入った重厚長大業界でしたが、官僚的な業界慣習と年功序列にうんざりしていました。
転職活動を始めたばかりの頃には、IT系の業界に転職して猛烈に働いて実績に応じて評価されたいと希望していました。
転職エージェントや転職サイトから紹介される案件は基本的にこれまでの職歴を活かせる業種です。
そのため、重厚長大業界で働いていた私には当然のことながら隣接業界の転職案件が紹介され、希望していたITやウェブ業界の紹介をうけることはほとんどありませんでした。
紹介されたとしても、未経験からスタート!年収は商社時代の1/3というような案件ばかりでした。
そこで私は転職エージェントから紹介されたのはなく、自ら興味ある企業を見つけ出し、企業の人材募集ページから申し込みを行いました。
しかし、現実は厳しく経験のない業界に履歴書を出しても肌感覚で7割くらいは無視されます。
落選のお知らせすら来ないことが多いです。
これは経験してみなければわかりませんが、相当悲しいです。
最初の頃はお祈りメールが来ないことも知らずに数週間はドキドキしながら頻繁にメールチェックをしていました。
返事が来ないことは特殊な例ではありません、今現在でも5社くらいから未だ返信をもらえていません笑
商社マンの転職失敗談:私の実体験 超大手SNS外資企業への応募
私の駐在先国で広く使われていたSNSを運営する企業の日本法人に応募しました。
「駐在先の言語も習得しているし、社内でのコミュニケーションもばっちりだな」と業界経験もないのに、楽観に考えていました。
ホームページに記載されているオフィスの写真はThe IT企業という感じの解放感あふれるもので、商社の重厚長大系産業担当から大きく人生を変えられるかもしれないとワクワクしていました。
この会社に入社したいという気持ちは強く、しっかりと履歴書を準備して、自己PRと志望動機も書いてメールを送りました。(※応募先企業に役に立ちそうな経験の記載無し・・)
メールでの応募完了と共に自動返信のかっこいいメールが来て、新たな人生の幕開けを感じていました。
しかし、現実は厳しく、受付完了の自動返信メール以外は、待てども待てども反応がなく「迷惑メールに振り分けられていないか?」「知らない番号から電話がかかってきていないか?」を当時は頻繁にチェックしていました。
履歴書を出してから数年たっていますが、未だに不合格のメールもきません。
まだ可能性はあるのでしょうか!!?(笑)
商社マンの転職失敗談:同僚商社マンの異業種への挑戦
私の同僚商社マンも異業種転職の厳しさを経験していました。
年功序列・重厚長大系のお堅い業界で働いていると、「人生このままでいいんだろうか?なにか挑戦しないと感」が生まれてくるようで、その同僚は集中的にIT企業を受けていました。
最終的に彼はインターネット関連企業の投資管理部門に転職することができました。
その後、商社を退職した記念に彼と飲みに行って、彼の転職活動について聞いてみました。
転職活動を振り返ってみて「一言で言うと想像以上に厳しかった」とのことで、新卒時に大量採用をしている大手の日系IT企業複数社にも応募をしたが、返事すら帰ってこない、面接に進んでもほとんど1次面接で落とされたとのことでした。
結果として、商社時代に経験した投資実務を評価してくれたIT企業の投資管理部署に採用されましたが、自分の業務経験やスキルと全く被ることのない職種でのIT企業への転職は全て失敗したとのことでした。
補足すると、彼自身は学歴はピカピカで新卒就活時代には業種を問わず複数社から内定をとり、商社に入ってからも部署内での主力として活躍している商社マンでした。
彼曰く「比較的良い条件で転職ができた」とのことでしたが、それでも待遇は商社時代を下回るそうです。
彼自身は「死んだ目をして商社で小金をもらって働くよりも自分自身の興味のある分野で仕事がしたい」と言っており、年収は下がっても彼の転職活動は成功だったと言えるでしょう。
しかし、優秀な商社マンだった彼の異業種への転職の苦労は、今後異業種転職を希望する方が事前に認識しておくべきことでしょう。
商社マンの転職失敗談:異業種転職がうまくいった人の話
正直に言って、商社マンにとって待遇を維持しながらの異業種転職は相当難しいです。
商社マンの能力が低いのではなく、商社並みの給与を払える企業と職種自体かなり少ないということです。
転職先の給与だけで、商社を超える待遇を得ようとすると、ボリュームゾーンとしては外資証券会社やコンサルぐらいしか選択肢がありせん。
他にも、商社から待遇を上げる転職先候補としては同業外資がありますが、異業種転職という観点からは候補から除外されます。
異業種への転職は厳しい状況ですが、私が見てきた中で異業種への転職がうまくいった方の実例を紹介します。
共通しているポイントは、本業である商社の担当業務以外で、転職前から副業や本格的な趣味として転職先の業界と関連のある事業をしていることです。
例えば、副業で転職や新卒就職のwebサイトの作成をしており、そのまま人材系の会社に転職された方がいました。
この方は、公にはしていませんでしたが、商社在職中からこれらwebサイトを数年間運営しており、収益化ができてきたため、副業が公式に許可されており、webサイトの内容と相乗効果が狙える人材系の会社への転職を行いました。
転職先の待遇自体は、商社よりも劣るものの、副業での収入と合わせれば商社時代の待遇を維持できるものでした。
また、拘束時間は商社よりも短くなり、副業と転職先の本業(人材会社)での相乗効果を活かして総収入(本業+副業)を更に伸ばしていくことができるという計画を立てていました。
本業と副業の相乗効果を得ることができ、会社だけに頼らない収入源を確保できるという転職は、私個人として最もおすすめできる転職パターンです。
商社マンの転職失敗談:まとめ
商社マンの皆さんは、新卒入社試験の際はどの企業に履歴書を出しても大体は通過したのではないでしょうか?
少なくとも、落ちたとしても、落ちたことがわかるお祈りメールが来たと思います。
私は、お祈りメールすら来ない中途採用プロセスを経験して「ああ、新卒採用時はどの企業も丁寧に対応してくれたんだな」と今さらながら気が付きました。
中途採用では、とにかく見込みのない応募者に対する扱いが厳しいです。
特に、商社マンが転職を考えるような待遇のよい企業のほとんどは業界経験者(即戦力)を募集しています。
転職後すぐにパフォーマンスをあげてくれるような候補者でなければ高給で雇うことができません。
冷静に考えると当たり前のことなのですが、当時駐在帰りで謎の自信を持っていた私は、外国語もできるし、面接くらいには進めるだろう、採用される可能性も十分にあると考えていました。
異業種に転職したいと「本気」で考えている方は、その業界に関連する実績を転職前から積んでおくべきでしょう。
副業として稼いだ経験を持っているだけで面接での評価は大きく違うでしょう。
副業として個人で始められない分野であれば、大学院や専門学校、資格試験などで、専門知識を身に着けることも有効です。
どれもすぐに出来ることではありませんが、このくらい本気で行動していないと異業種に高待遇で転職することは難しいです。
異業種への転職の際は、「収入が大きく下がってでもやりたい」「給料がもらえなくても自分で何かやりたい/学びたい」くらいの情熱があるかを自分自身に問いかけてみてください。
また、優秀な転職エージェントであれば現職以外の経験(副業や専門知識の習得)も評価して、希望に合う転職先を紹介してくれます。
先述の通りに、実績や積み上げがないにも関わらず、好待遇で異業種に転職することは難しく、いくら優秀なエージェントであっても転職希望者自身に実力と可能性がないと、異業種への転職を成功させることはできないことは認識しておきましょう。
異業種転職の壁は高いですが、情熱があり、行動している方にとっては超えることの出来る壁です。
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