商社マンの転職失敗談②外資メガベンチャーへの挑戦【どのように企業に貢献できるかを深堀せずに面接に臨んで失敗した話】

商社マン転職活動失敗談

今日は元商社マンの私の転職失敗談第2弾と反省点を記載します。

外メガベンチャー中途採用面接で、どのように応募先の会社に貢献できるかについて深堀しないまま挑んでしまい、見事に失敗した経験談です。

書類から最終面接まではとんとん拍子に進んで調子に乗っていたのですが、最終面接で見事に失敗してしまいました。

面接後に、「落ちたな」という確かな手ごたえをつかむことができた珍しい経験でもありました。

転職活動初期に私が冒してしまった失敗談であり、転職活動を始めたばかりの方が犯してしまいやすいミスだと考えています。

中途採用面接の基礎の基礎のような部分ができていなかったという、自分自身でも書いていて恥ずかしいエピソードですが、私の失敗例を参考にしてこの記事を目にされた方の転職成功率が少しでも上がればよいと思いご紹介しています。

第一話はこちら

商社マンの転職失敗エピソード:外資転職エージェントとの接触

若手海外駐在から帰ってきたばかりのころ、東京本社での仕事が社内報告と数字の取りまとめばかりで、やりがいを感じられず、急速に転職意欲が高まっていました。

その時期は駐在先で実務経験を積んで、語学(第二外国語)も習得して、転職市場での自分自身の価値にも謎の自信をもっていました。

どこか外資企業からヘッドハンティングがこないか~とも調子に乗って期待していました。

そんな中、ある転職サイト経由で外国人エージェントから連絡を受けました。

某国でIoT関連のビジネスを展開してる企業の日本法人が人材を募集しているということでした。

その国は、私が駐在していた国であり、駐在時代からその企業が事業を急速に拡大していることを知っていました。

そんな企業が日本で、数人規模から事業を展開しようとしていることを知り、そして私に声がかかった事実に、かなり興奮したことを覚えています。

応募前には、「日本のこの分野での第一人者になるぞーー!」と夢を膨らませました(笑)

商社マンの転職失敗エピソード:書類選考

外資企業の面接だったので、履歴書は英語もしくはその企業の本国の言語で準備する必要がありました。

私は、駐在中にその国の言語を習得していたので、あえて英語を選ばずに履歴書の作成を行いました。

英語ではなく、現地言語で履歴書を出す人はかなり少ない≒良いアピールになるのではないかと考えていました。

履歴書は提出前に、駐在中にできた現地の友人にネイティブチェックしてもらいました。

その企業が展開するIoTビジネスは私が商社で担当してきた業務とは全く関連性がありませんでしたが、書類選考は難なく通過することができました。

書類を出した翌日には、1次面接の日程調整連絡がきました。

外資転職エージェントからも、現地言語で応募をする人は少なく企業の担当者が興味を示してくれている旨をフィードバック頂きました。

前述の通り、私は駐在から戻ってきたばかりで自信過剰になっており、この時点では「ついに日系大企業を飛び出して、世界でも最先端のベンチャー企業で実力を発揮するときが来た!」とうかれていました。

商社マンの転職失敗エピソード:1次面接~現地言語面接で相性がいいぞと調子に乗る~

1次面接は、本国の人事部の方との1時間の面接でした。LineやWhatsAppのようなアプリを利用しての電話面接です。言語は現地言語でした。

初めての外資企業の面接でなにを聞かれるかドキドキしていましたが、ごく一般的な内容でした。これまでの職歴や、駐在先での経験、この会社に入ってどのような仕事をしてみたいかというごく一般的な内容でした。

回答に対して深くつっこまれることもなく、同僚と会話をしているようなカジュアルな雰囲気で面接が進みました。

「語学うまいね~!」などの雑談もあり、面接官との相性は良かったと感じました。

面接後には。「受かったな」という手ごたえがあり、面接終了から3時間後にはエージェントから2次面接への通過連絡がありました。

「語学も活かせるし、この企業との相性もいいぞ、さらば商社よ!」という楽観的な気持ちでいました。

しかし、1次面接は、書類内容に問題のない人で、基本的なコミュニケーションができるかどうかという点ぐらいしか見られていません。

1次面接が難なく通ったからといって、調子に乗って気を緩めてしまうことが転職活動の典型的な失敗のパターンです。

今から振り返ると、私はこんな基本的なことにも気が付かずに1次面接が通っただけで、すでに内定が出たような気持ちになっていました。

商社マンの転職失敗エピソード:2次面接~イタリア人と英語面接~

2次面接は1次面接に引き続き、コミュニケーションアプリを使った電話面接でした。面接官はイタリア支社にいるイタリア人人事の方との英語面接でした。

内容は1次面接に続き、オーソドックスな質問がほとんどでした。

面接では、駐在していたときに現地でその企業が提供しているサービスを利用したことがあり、そのサービスがどんどん社会に浸透していくのを間近で見ていたことを話しました。

そして、私自身が日本での事業に参画して、社会にインパクトを与えていきたいといったことを話しました。

また面接官から、現職での給与水準についても質問があり、商社での給与水準をお話しました。

面接官からは「正直に言って、我々はまだ成長途上の企業であり、我々がオファーできる給与水準はあなたの現職の水準よりも低い。」「ただし、君はまだ若いこの年齢であればお金よりも経験を得に行くべきだ、我々と共に社会を変える事業を行おう、お金は後からついてくる」と言われました。

この時、私は商社での官僚的な事務作業に辟易しており、やりがいというものをなによりも重視して仕事選びを行っていました。

このイタリア人面接官から言われた言葉は心に響き、この企業に転職できなかった後も、心に残り続けています。

結果としては、この面接も突破することができ、最終面接への通過連絡がありました。

面接官の言葉に心を動かされることは良いですが、本当に入りたいと思える企業に出会えたのならば、内定が出るその瞬間まで、冷静に自分がどう評価されるのか、面接でどのように受け答えをしていくべきなのかを考え抜いていくべきです。

私は、面接官から言われた言葉に心を動かされただけで、振り返ってみると、せっかくつかんだ最終面接への準備が全くできていませんでした。

転職活動は、熱い想いを持ちつつも最後までクールに準備&対応していくことが大切です。

商社マンの転職失敗エピソード:最終面接~鳴らない電話~

最終面接は、なんと2次面接と同じ日に行われました。2次面接(電話面接)が終わったその日に、アジア地区の事業担当役員が日本に出張に来ているということで、彼に会うために銀座のホテルまで足を運びました。

どこか会議室でも予約してあるのかと思ったら、普通にロビーのソファでの面接でややびっくりしました。

アジア地区担当役員の彼は30代中盤で、日本のIT企業で勤務した経験があるようでした。

面接は英語かその企業の本社がある現地言語どちらが良いか聞かれたため、駐在地で習得した現地言語を選択しました。

採用された後に上司になるであろう彼との相性は驚くほど良くなく、終始ぎくしゃくしながら面接が進んでいきました。

面接中に「あれでしょ?無理して〇〇語で話すの厳しいでしょ?英語でもいいんだよ?」と言われてしまいました。

商社の海外語学研修で1年程度語学留学して身に着けた語学であり、ビジネスの最前線で使ってきた自負があったので、かなり悲しい想いをしました。

「むしろ英語のほうが話せないよ!」と心の中で叫びました(笑)

面接の中盤以降は、明らかに「ああ落ちたな」という自覚を持ちました。

そして面接後には無常にも誰からも連絡が来ませんでした。

応募した企業から直接お祈りが来ないのはもちろん、転職エージェントからも連絡が来ませんでした。

こうして、私の世界最先端のメガベンチャーへの挑戦は幕を下ろしました。

商社マンの転職失敗エピソード:最終面接での敗因分析

前項で面接官との相性が悪いと書きましたが、実際は私の能力&準備不足でした。

中途採用で、かつ少数精鋭の立ち上げメンバーに応募するのに、あまりにも準備なくのほほんと面接に臨んでしまったと反省しています。

面接での失敗実例

面接相手の役員と下記のようなやり取りがありました。

面接官「日本の〇〇地区で、サービスの試験提供を開始したが、本国でのサービス展開と法制度面から〇〇が違っており、また顧客の行動も〇〇という点から違いがある。現状、日本での試験サービスはうまくいっている状態とは言えない」 「君ならどのようにこの状況を打開するか教えてほしい」

苦し紛れに答えをその場でひねり出し、何とか答えるものの次の質問で「では、そのコストと利益はどのように考えていますか?」と言われ、全く答えることができませんでした。

他にも、「九州での事業展開を考えているんだが、なにから始めたらよいかアイデアを聞かせてくれ」等の質問もされました。

前提条件が与えられず、同じような質問がいくつか続き、全てにその場であわてて考えた中途半端な答えしか返答することができませんでした。

面接時には正直、「その企業の内情も知らないし、各種前提条件も知らないのに答えられる訳ないよ・・」と思っていました。

「二次面接までと全く面接内容がちがうじゃないか!」とやや憤りさえ覚えていました(笑)

敗因と対策

振り返ってみて私には少なくとも下記2つのどちらかが必要でした。

自分が経営者だったとしたら、このどちらも持ち合わせていない候補者と共に日本事業の立ち上げはできないでしょう。

①当該企業の事業について事前に徹底的に調べ上げて、「自分ならこうする」という戦略を持っていること。

②事業に対する十分な知識がない中でも前提条件を会話の中で聞き出し、不足している分を自分で仮定して、説得力あるストーリーを語れること。(外資コンサルのケース面接のイメージで、自身の能力を面接中に示せるようにする)

面接前に事業内容詳細についてもっと本気で調査して、自分なりの事業アイデアを面接でぶつけて、意外な質問にも頭の回転早く回答することができれば、採用されていたのではないかと考えます。

「なにをやるかわからないけど、やる気とポテンシャルはばっちりです!」と言っていれば採用される新卒時の大量採用とは違って、中途採用では入社後、即座に会社の基幹を担うことのできる人材が求められています。

特に人数の少ない立ち上げ期の会社にとって採用ミスのダメージは計り知れないほど大きいため、頭の切れだけでなく、事業自体に対する分析・熱意が重視されるでしょう。

私自身この面接に落ちた際には、①②共に全く備え持っていませんでした。

事前にその必要性を認識することである程度の準備はできるものです。

入社してから 事業を学ぼうという姿勢ではなく、すでにその企業の幹部になったつもりで事業展開を考える。

面接中に自身の能力を示せるように、仮説思考の訓練を行っておく。(受ける受けないは別にして、外資コンサルのケース面接の対策を一通りやってみることが有効だと思います。)

私のこの面接は散々な結果となり、みじめな思いをしましたが、失敗を経験して①と②のポイントに気を配り対策するようになりました。

そして、その後の転職活動での面接突破力は大いに向上しました。

私自身は、失敗から学びましたが、この記事を読んでくださっている方には、私の失敗の擬似経験を通じて、よりスムーズな転職活動を行ってほしいと思い、恥を忍んで私の転職失敗談をご紹介しました。

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