今日は元商社マンの私の転職失敗談と反省点を記載します。
転職活動初期に私が冒してしまった失敗談であり、商社からの転職活動を始めたばかりの方が犯しがちなことです。
内容としては、中途採用面接に臨む際に、新卒面接時のように個人能力アピールばかりしてしまい、「組織を引っ張っていく素質があるのか?」という点を見られている中途採用面接に全く対応できていなかったというお話です。
中途採用面接の基礎の基礎のような部分ができていなかったという、自分自身でも書いていて恥ずかしいエピソードですが、私の失敗例を参考にしてこの記事を目にされた方の転職成功率が少しでも上がればよいと思いご紹介しています。
転職失敗エピソード:経営幹部候補ポジションへの挑戦
商社での若手海外駐在から本社に帰任した20代後半のころ、とある高給激務系の事業企業に応募しました。
募集ポジションは「将来の経営幹部候補」ということで、職種を限定せずに採用後様々な業務を経験するというものでした。年収は2000万円スタートでしたので商社の待遇を大きく上回っていました。
事業会社で商社を大きく上回る条件を出している点と、年功序列ではなく実力主義で処遇される点に魅力を感じて応募しました。
当時の私は、海外駐在帰りで、とにかく東京で任せられる年功序列の社内業務にうんざりしていました。駐在帰りという事もあり、自分の能力にも自信を持っており、実力主義の会社で働いてより刺激のある仕事をして、より良い待遇を得たいと考えていました。
「年功序列を飛び出して、俺は一気に経営幹部だ!」とウキウキしていました。(笑)
結果として、書類選考は通過しましたが2次面接であっさりと落とされてしましました。
転職失敗エピソード:書類選考と1次面接
書類上に書きやすいちょっとした実績があったため、書類を提出した翌日には通過連絡がありました。
転職エージェントからも「先方からの連絡が速いのは評価されてるってことですよ!」などと言われて、今思えばかなり調子に乗っていました。
書類選考を通過して、1次面接に進みました。
1次面接では30過ぎのマネージャークラスの方2名との1時間の面接でした。
聞かれたことはオーソドックスで、履歴書に書いてある自身の経歴に関する質問と、その会社に入ってやってみたいことに関する質問でした。
事前に準備可能な内容のため、特に受け答えに困ることなく1次面接を終えることができました。
新卒で商社に入社できた方は、面接が得意な方が多いのではないでしょうか。
私自身も面接は得意だと思っていました。
そして1次面接が終了した当日中に、転職エージェント経由で2次面接への通過連絡がありました。
「経営幹部への第一歩だー!」と楽天的に考えていました(笑)
転職失敗エピソード:2次面接と不合格
2次面接では、部長クラスの方との面接でした。
面接で聞かれた内容は、1次面接のとき同様にオーソドックスなものでしたが、1次面接よりも更に経験を掘り下げて聞かれました。
1次面接の際同様に和やかに面接が終わって、調子に乗って
「うむ、今回も通過したな」という手ごたえを覚えていました(笑)
しかし、面接の1-2日後には、無情の不合格連絡を転職エージェントから受け取ることになりました。
正直その時は、まさか2次面接で落とされるなど考えておらず、驚きでした。
転職エージェントに一応理由を聞きましたが、企業側としては特に理由を公表しないということでした。
今思い出すと痛々しいですが、その時期は駐在帰りで調子に乗っていたこともあり、「私を落とすなんてなんて見る目のない企業だ!」と思ったことを覚えています(笑)
転職活動を始めてまもない頃であり、久しぶりに面接で「落ちる」という経験をしました。
自分が「好きだ」と思った相手から「好きになれない」という反応をもらうことは、やはり悲しいものでした。
「経営幹部」への夢は儚く消え去りました。
転職失敗エピソード:面接での受け答え
「経営幹部」への道が潰えた際には、悲しさや悔しさにかまけて、失敗した理由を分析しませんでした。
しかし、転職活動を進めていき、更にいくつかの失敗を重なる中で、面接に落ちる理由を考え始め、段々と面接で落ちる理由がわかってきました。
端的に言うと、面接で自分の能力をアピールするだけで、中途採用者(将来の幹部候補)に求められる「仕事の仕組み化」や「組織作り」に貢献するという視点を欠いていたということです。
思い出すと恥ずかしいのですが、面接で下記のように的外れな回答をしては面接に落ちていました。
面接官「駐在先ではどのような成果をだしましたか?」
私「私自身が現地の数十社以上の新規客先候補に、自ら営業をかけて・・・・の成果を出しました」
面接官「素晴らしい成果ですね、その成果を組織として継続させるためにどんな取り組みをしましたか?」
私「はい、営業で成績を上げるためには個々人の資質が大きいですが、まずは私が開拓していく姿を周囲に見せることで・・・・・・・・」
上記のように、今振り返るとかなり痛々しい受け答えをしてしまっていました。
その当時、私が考えていたことはいかに自分自身が仕事のできる人間であるかをアピールすることだけでした。
上記やり取りで面接官が確かめたかったことは「きみが切り開いた仕事をどのように仕組み化して、組織として利益をあげられるようにしたのか?」「組織作りができる、将来の幹部候補としての素質を持っているのか?」ということです。
私の回答は面接官の意図を理解せず、ひたすら個人の実績や能力をアピールしているもので、まったく面接官には響いていなかったことでしょう。
「経営幹部」には程遠い受け答えでした。。。
転職失敗エピソード:失敗からの学び
新卒面接と違い中途採用の面接では、個人能力だけでなく、成果を上げる組織づくりができるのかという点が重視されます。
アピールすべきことは、個人の業績よりもどのように組織を動かして成果を上げたか、 部下や後輩をいかに成長させて成果を出したかということです。
商社では、40歳近くになるまで部下ができずに、いち担当としての能力を磨いていくという文化が強く、組織で成果を上げるよりも個々人の能力開発と実績の積み上げが重視されています。
しかし、転職先で幹部候補となって商社マンよりも高い待遇で迎えられるためには組織を率いることのできる素質があるかという点が重視されます。
20代後半~30代での転職は明確にマネジャーとしての素質が求められます。
個人でできることは限られています、組織・部下にどのように動いてもらえば効果的に仕事ができるのかを構想して実行に移せる人材が求められています。
私は30歳を目前にして、転職活動を通じて、遅ればせながらこのことを意識するようになり、商社在職中もどうすれば、後輩や海外法人の現地社員に気持ちよく動いてもらい、成果を上げられるかを考えるようになりました。
その後の、転職面接の受け答えでも、自分の能力アピールではなく、どのように組織づくりをしたのか、どのように周囲の同僚を動かして成果をあげたのかという点を強調してアピールするようにしました。
転職活動でのアピールは自身の経験に裏打ちされている必要があるため、受け答えを少し準備すればすぐに効果が出るようなものではありません。
しかし、徐々に個人能力重視の働き方から脱却し、組織力の向上といった点に力を注ぐようにして働き、その経験を転職面接でアピールすることより、面接通過率が上昇していきました。
最後に
今回お話したことは、「経営幹部候補」への転職にチャレンジし。失敗した中で学んだことです。
現在では、中途採用において企業は将来の幹部候補を雇おうとしているのですから、「どうやって組織を動かしてきたのかという能力や経験をアピールするのはあたりまえじゃないか」。
「個人の能力ばかりアピールして、商社マンよりも良い給料をもらおうと考えていたなんて、考えが浅く、当時の自分はあほなんじゃないか?」と思います。
しかし、当時転職活動を始めたばかりの私はこんなことにも気が付いていませんでした。
この記事を見てくれた方には、万が一にも同じミスを犯さないでほしいと、自分の恥ずかしいエピソードを紹介しました。
私自身は、失敗の中で学んでいくタイプであり、本日紹介したエピソード以外にも多くの転職失敗談があります。それらについても、今後順次紹介していきます。
「こんな失敗そもそもしないよ、こいつはアホか」と思っていただいても良いので、失敗談の中からなにか1つでもためになる情報を発信できればと思っています。
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