転職活動の際にやるべきことは多くありますが、やるべきでないこともあります。
私がこれまで見てきた転職時にしてはいけないことを紹介します。
内容は、私が友人から転職に関するアドバイスを求められた際に、実際にお話ししていることです。
やるべきでないことに共通していることは、それをやってしまうことで今後の転職活動やキャリアの選択肢を狭めてしまうということです。
ただでさえ、様々ないプレッシャーやストレスのかかる転職活動です。
やるべきでないことを把握して効率良く勧めましょう。
転職活動していることを社内の同僚に言う
最もありがちで最も冒してはならないミスが、転職活動をしていることを職場の同僚に言うことです。
実は私も転職活動を始めたばかりの頃、そのことを職場の方に言ってしまっていました。
転職活動をしていることを同期や仲の良い同僚に言うことで、転職が実現していないにも関わらず、「俺は少し違う男なんだ感」を演出することができ、溜飲を下げていた時期がありました。
途中で「やばい」と気がつき、転職意欲があることや、転職活動をしていること自体一切職場の方には言わないことにしました。どんなに仲の良い同期にも一切言いませんでした。
私の同僚で転職意欲と会社への批判を常々口にしていた方は、その話が次第に上司に伝わり、上司からすぐに転職されてしまうことを警戒され、重要な仕事を任されなくなっていました。
そして、つまらない仕事を振られて、どんどん仕事への不満が溜まり、最終的には転職に追い込まれるような構図になってしまいました。
転職活動は自分自身の選択肢を広げる行為です。
自社と他社を比べて他社が魅力的な場合に転職すれば良く、自社の条件が比較的良いと分かった場合は現職にとどまればいいのです。
その選択を自分で行えるからこそ、転職はやってみて損がないと思っています。
転職活動をしていることを会社に知られて、引き返すことができない状況になってしまえば、自分で自分を追い込んでいるようなものです。
転職活動をしていることは仲の良い同期であっても話さないようにしましょう。商社マンはおしゃべり好きです。
以前、先輩Aさんが転職しようとしていることを、Aさんと仲の良いBさんから「ここだけの話」として聞くことがありました。
Bさんは仲の良い上司にも「ここだけの話」として喋っているようでした 。。。。
結果として、部署のほぼ全員がAさんの転職意思を知ることになり、部署内の幹部会議ではAさんに転職可能性があることを踏まえて、今後どのように仕事を割り振るかという話題まで出ていたそうです。
転職という人生の重要事項を周囲に相談したくなる気持ちは良く分かりますが、どれだけ信頼する方であっても、同期や同僚を避けて相談することを強く勧めます。
焦って待遇の下がる転職を決める
新卒で商社に入り、商社の環境に慣れてしまうと気が付きにくくなってしまいますが、商社の待遇は被雇用者としては相当恵まれています。
自分より仕事のできない先輩が年功序列で高い給料をもらっているのがバカらしいと不満を溜めて、転職してみたら永遠に商社時代も収入を超えられなかったという例は珍しくありません。
また、嫌な上司や同僚に囲まれて人間関係のストレスが大きくて転職してみたら、もっとストレスフルな人に囲まれることになったとの話も聞いたことがあります。
商社はよくも悪くもある程度、学歴等のバックグラウンドが似通った人が多く、本当に非常識なモンスターと出会う確率は低かったりします。
待遇が良い商社マンだからこそ、焦らずに戦略的に転職活動を進める必要があります。
年収だけをみて転職する
典型的な商社マンの転職失敗例は年収の高さだけを見て転職して、商社の倍働かされて、すぐに燃え尽きてしまい転職先を辞めてしまうことです。
額面年収が商社と同じもしくは少し上がる程度の場合は、転職先の働き方をよく事前に調査する必要があります。
商社と同じ待遇を維持するためには、他社であれば相当シビアに成果を出し続ける必要があります。商社にありがちな、なんとなく事業管理をやって年収1200万円というようなことはまずないです。
商社の年収を維持若しくは上昇させて転職を行う際には、その職業で得られる経験やスキルを今後どのように使いたいのかという、転職後の戦略まで考えておく必要があります。
額面年収キープもしくは1-2百万円のUpで転職しても、転職間もないころは不慣れな業務という事も相まって、長時間働くことになり時給換算すると商社時代よりも収入が下がってしまう可能性が高いです。
そのときに、年収が少し良くなるから飛びついたという理由だけしかないと、早々に辛くなってしまう可能性が高いです。
転職先で何を実現したいのか、転職したことで商社マン時代とは違う何を手に入れたいのかという軸を持っておかないと、転職先で困難な状況に陥ったときに踏ん張りが効きません。
1人きりで転職活動をする
通常業務に加えて転職活動を行っているとかなり忙しくなり、知らず知らずストレスを溜めがちです。
実体験として、1人きりで転職活動すると視野が狭くなりがちですし、精神的に追い込まれることが多いです。
転職活動は人生の選択肢を増やすためにやるべきです。せっかくの職業選択の機会なのだから、自分の今後の様々な可能性について他者との対話の中で考えを深めることをお勧めします。
友人に相談すべき内容
社内の同僚に転職活動していることを話すのはご法度ですが、現職と関係のない友人等には大いに相談すべきです。
外から見た現職の魅力や、転職を考えている企業への見方など参考になる気づきを得ることができます。
業界の違う友人や独立して会社をやっている友人と仕事選びについて語り合うことで、今後自分がどのようなキャリアを築いていきたいのかがクリアになったことを覚えています。
また、場合によっては友人や知人から転職先を紹介されることもあります。
私も、大学時代の親友から親友の勤める会社への転職を検討してみないかとの声をかけてもらったことがあります。
転職エージェントに相談すべき内容
面接先に響く履歴書や職務経歴書を作成するために転職エージェントをうまく活用することもおすすめです。転職エージェントは過去の転職成功者の事例をストックしており、どのような内容であれば通過率が高くなるか知見を持っています。
一方で転職エージェントに今後のキャリアを含めた人生相談をすることはあまりおすすめできません。転職エージェントはあなたを転職させることで手数料を稼ぐビジネスであり、どうしても転職させる方向にアドバイスしがちです。
転職エージェントは、効率の良い転職情報の収集と、書類や面接対策といった技術面のサポーターとしてうまく活用しましょう。
転職ありきで転職活動をする
当サイトでは何度も強調しますが、転職活動してみて現職に残るという選択肢は大いにアリです。
「転職しなければならない」と考えて転職活動をするのはかなり辛いです。
商社マンよりも明らかに待遇の良い職業はそう簡単には見つかりません、じっくりと腰を据えて取り組む必要があります。
実は社内転職もありです。
私も転職活動を始めたばかりの頃は、転職する期限を半年後までと定めて活動していましたが正直辛かったです。(転職時期のリンク)
転職自体、希望するポジションが空いていなければそもそも転職しようがないわけで、自分で時間を区切って追い込んで転職活動したからと言って望ましい結果が得られるものではありません。
良いポジションが空いたらいつでも移れるように準備を進めるくらいの気持ちで転職活動に臨んだ方が良い結果が出ます。
内定時に条件を良く確認しない
転職活動を始めたばかりの方にとって内定(オファー取得)はまだ先のことに感じるでしょうが、内定してからこそより慎重になって転職を決定しなければいけません。
内定を取った時は転職候補企業から自分のことを認められたという喜びの気持ちで溢れて、冷静でいつづけるのは本当に難しいです。
私自身はすんでのところで踏み止まりましたが、年収が4割下がる外資ベンチャー企業から内定をもらって、採用担当者から熱く夢を語られた時には、感情のみで転職しそうになりました。
ちなみにその外資ベンチャーは2年後に本国での事業悪化により、日本から撤退となってしまいました。危機一髪でした。
内定をもらうと、とにかく嬉しい感情が湧き上がるのは自然なことです。
そこで改めて条件をしっかり確認しましょう。
額面年収が少し上でも福利厚生を加味すると実質年収ダウンになってしまう等の落とし穴が存在します。
また、数字や労働契約で確認できる部分だけでなく、職場環境も全力で確認するようにしましょう。
採用担当者は良いことしか言わないので、別ルートで内定先企業で働く方とコンタクトを取って、実際の働き方や職場の雰囲気を確認しましょう。
例えば、商社よりもホワイトな職場を求めていたのに実は超競争が激しく高ストレスの職場だった場合、何のために転職したのかわかりません。
職場環境の実態は入社前に窺い知ることが難しいですが、1番重要な要素ですので人脈フル活用で内定を承諾する前に確認しましょう。
内定後の条件や職場環境の確認は、内定取得前の書類/面接対策よりも力を入れるべきです。
退職時に暴れる
少なからず現状に満足していないからこそ人は転職するものです。
しかし、退職前に会社に砂をかけるような行為はなるべく慎むべきでしょう。
転職すれば、そこでの人間関係や仕事との関係をほぼ完全に断ち切ることが可能です。
そのため、転職を決めてから退職するまでに、今まで職場に対して溜めていた不満をぶちまける方が少なからず存在します。
仕事を徹底的にせずに、振られた仕事を全て後輩に押し付けて、自分は会議室で本を読んだりネットサーフィンをして退職日までサボり切るような例を何度か見てきました。
正直に言って、退職前に無茶苦茶やってもほとんど今後のキャリアには影響しません。
転職した瞬間に関係が切れてそのまま一生関わらない可能性が高いです。
ただし、見ていて本当に賢いなと思う転職者の方は退職前も変わらず真摯に仕事をして良い関係を崩すことなく転職した方です。
そして転職先で、ちゃっかり商社をクライアントにして仕事をしたりしています。
また、独立して元商社マンとして社名を出しながら活動している方で、実はしっかり人事部と握っており、社名を出す代わりに会社の悪口は一切言わないという取り決めをしている方も知っています。
退職前に大組織である商社に個人で砂を掛けて出ていくよりも、その後何かに商社を利用できる余地を残しておいた方が、個人的利益の最大化につながります。
礼儀や美徳といった観点を抜きにして、退職時には綺麗に去った方がお得です。
まとめ
転職活動は今後の人生の選択肢を増やしてくれるものです。
だからこそ、今後の選択肢を狭めるような行動をしないでほしいと思っています。
友人が転職相談をしてきた際にも同じことをアドバイスしています。
繰り返しますが、下記状況に陥らないように気をつけるだけで、転職活動の成功確率が大きく高まります。
- 会社の同僚に転職活動の話をして、現職での待遇を悪化させる
- 焦って待遇を下げる転職を行い、今後の生活に支障をきたす
- 額面年収が上がったとしても、労働時間が圧倒的に増えて、疲弊する
- 孤独に転職活動を行い、他者の視点を取り入れない
- 現職には留まるという選択肢を自分で排除し、自分を追い込む
- 会社に悪い印象を残して退職し、今後現職の会社を利用する機会を失う
やるべきでないことを把握して、効率良く転職活動を進めていけるように応援しています。
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